こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。
昨日のNHKで、抗生物質がほとんど効かない「CRE」と呼ばれる耐性菌に感染した患者さんが、国内の病院で3人死亡したとのニュースがありました。行政機関は院内感染の可能性もあるとみて調べているようです。
院内感染には、大きく接触感染、空気感染、飛沫感染の3つがあります。1番感染の割合が多い接触感染の対策として、WHO(世界保健機関)は手指衛生のガイドラインを発表しています。これは医療従事者が適切な5つのタイミングで正しい手指衛生を行い、医療関連感染を防ぎ患者安全を最優先させることにあるようです。
手指衛生の適切な5つのタイミング
① 患者に接触する前
② 清潔(無菌)操作をする前
③ 汚染物質に接触した後
④ 患者に接触した後
⑤ 患者環境に接触した後
今回はこの手指衛生の5つのタイミングにおいて、院内感染を回避するための2つのポイントをお話しします。
上の5つのタイミングを考えてみると、その手洗いの頻度はとても多くなります。そこで近年、手洗い器をスタッフステーション周りの廊下に面するところや、病室周りの廊下に突出しないよう埋め込みで設置するようになりした。
もちろんこの手洗い器は、医療スタッフはもちろん、患者や家族も積極的に使うことを意図しています。
また手指衛生の基本から、せっかく洗った手で無意識に髪や顔を触らないよう、鏡の設置もしないようにしています。
4床室では、ベッド周りに必ずカーテンがしかれています。カーテンは患者、家族、各医療スタッフが触る布製のもの、クリーニングもそれほど頻繁に行われておりません。
一方、病室での患者への医療行為の場面では、その過程の中でカーテンに接触する機会が多くなります。カーテンは汚染されている可能性があることを自覚し、先の手指衛生の5つのタイミングにおいて感染リスクを回避するため、医療行為の内容やその順序をスタッフ間で確認することも必要となります。
「通りすがりの手洗い」は、手洗器の大きさや吐水口の形状も十分に検討してください。また最近では、適切な手指衛生が行わなければ自動ドアが開かないという仕組みの、自動ドア連動機能付自動手指消毒器も発売され、感染の様々な対策がなされています。