こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。
ゼネコンさんからの問い合わせで、病院の敷地内に調剤薬局を計画中とのことです。最初に認められていない2つのパターンを把握すると計画が進めやすくなります。
昨年度の規制緩和によりそれ以前は許可がおりなかった、病院の敷地内での調剤薬局の建設が可能になりました。その背景は、政府の規制改革会議により”高齢者・体の不自由な患者・家族などが調剤薬局に行くのに公道を渡って行くには利便性が悪い”との答申がされ、厚生労働省との協議の結果緩和されたものです。
認められていない2つのNGパターンは次のとおりです。
1つ目は、上図のAにあるように病院と薬局が一体化しているパターンです。厚労省の通知文では、『保険薬局は保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行なってはならないこと』となっています。
“一体的な構造”とは具体的に、建物がベッタリくっついてたり、一見別の建物に見えるけれど渡り廊下などでつながっており、人や物の往来が可能な状態を指すようです。
建設の専門的な話になりますが、建築の耐震構造面などにより病院と薬局を、構造的な梁などでつなぐ場合とは意図が異なりますので要確認です。
2つ目は、上図のB にあるような病院が面している道路から見た時、薬局の入口がわかりずらいパターンです。
B図で改善するならば、薬局の入口を右側に変更して道路からの視認性を確保すると良いでしょう。また敷地内に薬局への明確な歩行・車輌通路を設けることによっても、改善が可能となります。
せっかくの規制緩和ですので、計画の初期段階から管轄される厚生局や保健所と事前協議を行い、申請手続の順序や期間も含め相談されると良いでしょう。
お年寄りやお子さん連れの患者さんにとっては、とても有り難い規制緩和ですね。