クラウドやAIを駆使しながら、地域住民の健康を見守っていく体制づくりがあれば

こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。

先日、NHKスペシャル”AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポンの再放送を見ました。MCはマツコ・デラックスさんと有働由美子さん「人間がどうにもできない社会問題に対して、解決の一手をAI(人工知能)に聞いてみた」というものでした。こちらの番組では、AIが経産省や総務省の公の統計や、20代から80代までの個人を10年以上追跡調査している大学のデータなど700万を超えるデータを学習し、AIの得意技である”ディープラーニング”などを駆使し、そこから読み解かれた5つの提言が紹介されていました。http://www.nhk.or.jp/special/askai/

番組で紹介された5つの提言のうちの1つが『健康になりたければ病院を減らせ』です。とても矛盾しているように思えましたが、意外なつながりが紹介されていました。

病院が減ってバナナが売れる

番組では、これから20年後には国民の医療費は7.6兆円増と予測し、一方でAIの解析データから病院(病床)数が減ると、がん死亡者数、脳血管疾患死亡者数、65歳以上の死亡者数(男)の各項目が減り、平均寿命(女)が増えていくとのこと。

さらにAIの解析データで興味深かったのが、病院(病床)数が減ると”バナナの購入額が増”そして”ボランティア・社会参加活動平均時間が増”というものです。その実例として番組でとりあげられたのが北海道の夕張市、同市は財政破綻により唯一の総合病院が閉鎖し病床数を10分の1にして診療所として継続しています。

実際に夕張市では、男性の肺炎死亡率やがん死亡率が減少、男女の心疾患死亡率が減少したとのこと。またスーパーでたくさんのバナナが陳列されている画像や、高齢者の方々の社会参加活動が積極的に行われている様子が紹介されていました。

ウエラブルとクラウドの利用

この番組を見て感じたことは、人間の危機意識は生活に密着し、依存度が高いものが無くなった時に高まっていくものであるというものです。私たちにとって、病院や学校、警察や消防はあってあたりまえのものですが、もし無くなったなら自身で全て防衛、防御しなければなりません。よく離島に住んでいるみなさんは健康意識が高いと聞きますが、やはり危機感が違うのでしょう。

将来的に日本の病床数は減っていく傾向にあり、厚生労働省も”地域包括ケアシステム”の確立を目指しています。夕張に住まわれている方々のように、カリウム、ビタミン、マンガン、食物繊維が含まれているバナナを食べて健康を維持する意識を持つことは大切なことですね。

住民一人一人の意識改革と同時に、やはり病院の役割もとても重要です。例えば、ウエラブルと呼ばれる衣服状や腕時計状で身につけたまま、1日の睡眠、消費カロリー、睡眠、血圧や心拍数を計測できるものを、地域の医療機関が保険適用下で住民一人一人に身につけてもらいます。そして病院などの医療機関が、クラウドやAIを駆使しながら地域の住民を見守っていく体制づくりがあれば、わたしたちは安心してその地域に暮らしていけると感じました。

先ほどのNHKの番組の中で出演者の方が言った「AIは理由や因果関係は教えてくれない、AIの分析結果を読み解くのは人間の仕事」というコメントが、私には特に印象的に感じました。

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