こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。
昨日テレビを見ていると、新潟県と福島県で断続的に激しい雨が降ったとのニュースがありました。上空に寒気が入り込んだ影響で大気の状態が不安定になり、レーダー解析の映像からもわかるよう、雲が途切れることなく一部の地域を流れ、1時間に100mm以上の雨を降らせていたとのことです。
北海道においては、2016年の8月から9月にかけて相次いで上陸・接近した台風や前線によって記録的な大雨となり、河川や道路、建物や農作物に大きな被害をうけました。近年、雨による様々な被害が多くなってきたように感じます。
そんななか昨日のニュースを見られた、施設の管理者さまから「これからの季節、雨漏りが心配」との問い合わせがありましたので、今日は屋上防水に関する2つのチェックポイントをお話します。
ご相談の施設は鉄筋コンクリート造で2階建、屋上の防水は”アスファルト露出防水”と呼ばれている標準的な構法で、建物が建ってから13年ほどです。
建物が竣工すると、施工者さんからいろいろな竣工書類と一緒に、アスファルト防水の保証書が渡されます。もちろん免責事項はありますが、通常の使用状態で不具合が起きた場合には、10年間の期限で手直しの保証が付けられています。
逆を言えば、アスファルト防水は10年間はもつということです。そのため施設の管理者さまから、防水の修繕更新の相談があった場合は「防水の状況によりますが10年〜15年位で更新されては」、と私はお話しています。
同じアスファルト防水なのに”10年〜15年”という5年間の更新期間の差は、どうしてでてくるのでしょうか? それは人間のからだと同じで定期的にセルフチェックを行い、不具合が起きている箇所を治しているかどうかです。つまり年に数回で良いので建物の屋上にあがり、屋上防水の状態をみなさんがチェックしているかに関わってきます。
目視で良いので、先ずはルーフドレインと呼ばれる排水口が詰まっていないか、防水シートの継ぎ目が剥がれてきてないか、そして防水が膨らんいないかを確認してください。
排水口の詰まりは風で飛ばされてきた木の葉やゴミにより起こり、その詰まりは防水全体の不具合に結びつきます。排水口の掃除はみなさんで行えます、出来れば年に数回、台風が来る前の今時期と雪どけ終わりの4月上旬には、必ず屋上にあがってチェックしてください。
また防水シートのちょっとした剥がれや膨らみを見つけた場合は、出入りされている業者さんに状況を電話で伝え、ついでの時に診てもらうようにお願いして下さい。
建物も歳をとりますし、経年劣化で機能も衰えてきます。健康診断と同じくらいのスパンで定期的にチェックして頂き、劣化した箇所をこまめに治して頂ければ、長持ちもしますしトータルの経費も抑えることが出来ます。