タブレットやスマートフォンを利用して、自宅の寝室が病室となる時代がやって来る !

SAWA医療設計、代表の澤です。2017年8月2日のYahoo!ニュースで、気になる記事がありましたので紹介します。

医師と患者が遠く離れていても、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを活用し、診療ができる――。そんな「遠隔診療」が身近になってきた。医師不足が深刻な過疎地域だけでなく、最近は都会でも広がっている。忙しいビジネスパーソン向けの禁煙外来だったり、小児科にかかる親子が利用したり。患者にとっては、通院の負担や待ち時間などを減らすことができ、医師にも大きな利点があるという。(出典 : Yahoo!ニュース 特集編集部)
https://news.yahoo.co.jp/feature/706

東日本大震災の被災地で

記事によると、2011年の東日本大震災の後福島県の市立小高病院では、医療スタッフの不足に直面しました。2014年から外来を再開したもののその状態は大きく改善しておらず、今年の5月から「遠隔診療」を導入したとのことです。

過去にもWEBを利用した遠隔診療のニュースはありましたが、今回のニュース記事内の動画は今までとちょっと違う様に私は感じました。その動画では92歳になる女性の患者さんが、自宅にのベッドに寝ながら、看護師さんが持つタブレットを通して病院にいるのドクターと話している様子が映し出されていた。その患者さんの様子が自然で、患者さんがとてもリラックスしていたことです

動画を見る前はタブレットを通してお年寄りがドクターと話すことに、私はちょっと違和感を感じてました。しかし実際は自宅を訪問した看護師さんに一通り診てもらった後、さらにタブレットを通してドクターの顔を見ながら話ができ、患者さんにとってより高い安心感につながっているようです

小児医療の過疎地 千葉県いすみ市で

また同記事によると千葉県いすみ市にある”外房子どもクリニック”の周りには、半径15キロ他の小児科専門施設がないとのこと。そこでこちらでも1年ほど前から「遠隔診療」を導入しました。

このクリニックの事例でも利用者は確実に増えており、オンラインと通常の診療を交互にしながら月に20人くらい診ているとのことです。気になるのは診療報酬、今の医療保険制度下では対面診療より報酬が低く、現状では病院の持ち出し状況のことです。

しかし、今年の6月上旬には「未来投資戦略2017」が閣議決定され、遠隔診療についても診療報酬改定で評価する、とされたようです。そのほかこのニュース記事では、忙しいビジネスマンの禁煙外来や、子育て中の親の子どもの通院に効果を果たしていることが紹介されていました。

時代の流れから遠隔診療の報酬の見直しはされると思われますが、一方でこのシステムは自宅の隣にある病院でも使えます。病床数の調整が進む中、在宅へ向かおうとしている国の方向性にも合っているシステムとも言えます。自宅の寝室が診察室や病室となる時代が来ているようです。

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