こんにち代表の澤です!
わたしが20年間暮らした小樽の街には、機能的で味わい深い建物が多く
あります。
こちらの建物は小樽市の指定歴史的建造物である「旧名取高三郎」です。
明治39年、今から111年前に建築された、商店です。
画像をよ〜くご覧ください、それでは問題です!
「この建物には、火災が起こった際の類焼において、大きな効力を発揮
する3つの仕掛けがあります。それはいったいどこでしょう。」
小樽は、貿易で国内外の貿易で急速に発展した街です。坂の街と言われ
山と海が迫る狭さくな土地において、急ピッチで開発が進められました。
そのため材料の選択や、火災の拡大を防ぐための防御がなされないまま、
何度かの大火に見舞われ、明治37年の大火では隣町にまで火災が拡大し
2500余りの住戸を焼き尽くしたと伝えられています。
その経験を活かし、火災、特に被害を拡大させないため、類焼に関する
様々な工夫がなされるようになりました。
さて先ほどの問題の答えです。
① 外壁に使用されている厚さ15センチメートル程度の耐火性の高い軟石
② 2階の窓部分に設置されていいる、防火性能がある漆喰の両開きの扉
③ 隣家との2階境界部に設置されている、類焼を防ぐ高い袖壁(うだつ)
3つとも、直観的に効力を発揮しそうですよね。
このような防火材料の採用、防火扉の設置、防火壁の構築という手法は
現代の設計手法にも活かされ、どんどん進化しています。
画像のような建物は、商いが盛んだった運河沿いに多くあります。今度、
小樽を散策される機会がありましたら、目線をちょっと上げて、大火の
辛い経験を活かした建物のつくりも、ぜひご覧ください。