WC水まわり改修 北祐会神経内科病院 様 (2009)

    神経筋疾患患者さんの機能や症状にあわせたトイレをつくりたい

    <ご相談内容>

    札幌市内で105床のベッド数を持たれている医療法人北祐会北祐会神経内科病院」さまです。

    「すべては患者さんのために」という病院理念をふまえ、2階・3階病棟のトイレまわりの改修工事を行いました。

    🔳改修工事前の病棟のメイントイレ:
    男女別に分かれ、大便器ブース、小便器エリア、手洗スペースが数ヶ所づつ配置され、それぞれのトイレの奥に、ビニールカーテンで仕切られた小さめの「車椅子用トイレ」がある「昔ながらの形式」でした。

    <具体的な課題>

    • 車椅子の患者」「歩行器の患者」「杖をつく患者」のそれぞれが使いやすくしたい
    • 右半身が麻痺」している患者さん、「左半身が麻痺」している患者さんにも対応してほしい。
    • 病棟の運営を妨げないように改修工事をしてほしい、とのことでした。

    「30年近く経つ病棟のトイレを、神経筋疾患患者さん一人ひとりの症状にあわせ、使いやすくする」という課題をいただきました。

    実際の患者さんの歩行状態などを見たうえで、使いやすいトイレの機能を追求する

    <SAWA医療設計が提供した設計サービス>

    改修にあたっては、実際の患者さんの歩行状態などを見せていただき、患者さんやスタッフが必要としている便器の仕様や手すりの位置などを検討・協議し、使いやすいトイレが何かを追求しました。

    1. 車椅子の患者:車椅子が中で回転できる大きめの個室トイレ
    2. 歩行器の患者:大便器・小便器・手洗が1セットになった中くらいの個室トイレ
    3. 杖利用の患者:大便器と小型手洗器がセットされている小さめの個室トイレ
    • 上の3種類の大きさのトイレを、「右麻痺」「左麻痺」それぞれの患者さんが使いやすいよう、扉を引く方向や手すりの設置位置を左右反転させ、合計6種類の個室トイレをメインエリアにつくる計画にした。
    • 患者さんの様態や症状にあわせた6種類の個室トイレを男女の区別なくつくることで、患者さんの利便性介助スタッフの作業効率を高める。

    ※2階の工事中は、仮設のトイレをつくる、通常運営している3階病棟のトイレを共有するなどの工夫により、病棟の運営が持続できるよう対策をした。

    患者さんの症状にあわせた6つのトイレで、
    患者さんのADL向上・スタッフの時間的効率アップ!

    <改修工事による効果>

    • トイレの狭さが原因で介助が必要であった患者さんが、自力で用を足せるようになり、患者ADLの向上とともに、スタッフの作業が軽減された。
    • 病棟のメイントイレが使いやすく、きれいになったことで、スタッフのモチベーションが向上した。
    おまけ

    病棟廊下の壁面に、6つの個室トイレの使用状況が一目でわかる「電光サインの表示板」をつけました。
    これにより、患者さんや介助スタッフが廊下で待つことがなくなり、時間的効率もアップしました。

    北祐会神経内科 トイレ改修 サインと病室の写真
    北祐会神経内科 トイレ改修 サイン写真

    まとめ

    SAWA医療設計が行なった「患者さんの症状にあわせて、病棟のトイレを使いやすくする改修工事のポイント」は、以下の通りです。

    患者さん一人ひとりの症状にあわせた病棟のトイレ改修工事のPoint
    1. 患者さんの様態や症状に対して、支援するべき便器の形状や手すりの取付位置、広さなどをスタッフと一緒に協議し、最適なカタチを追求する。
    2. 病院の運営を極力妨げないよう、改修工事のステップを吟味し、必要であれば仮設のトイレ等も配備する。
    3. 使用状況が一目でわかる「電光サインの表示板」のように、使用する患者さんや、介助するスタッフの視点にたち、トイレまわりの環境を整備する。

    改修後は、「すべては患者さんのために」という病院理念を掲げられているお客様も大変喜ばれていました。

    お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください

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