病棟廊下の黒ずみ対策!病棟を運営しながらスムーズに改善作業を行う方法

    病棟廊下 床の黒ずみの写真

    こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。

    「病棟の床が黒ずんできて、毎日掃除しているのに汚れが取れない」
    「清潔感がなく見えて困っている」実はこれは築30年以上の病院でよくあるお悩みです。

    床の黒ずみは、患者さんやご家族に与える印象にも影響し、施設全体の信頼感を左右しかねません。

    この記事では、黒ずみの原因と日常のメンテナンス方法・専門業者への発注時のポイント、さらには病院運営への影響を最小限に抑えながら床の黒ずみを改善する方法まで、わかりやすく解説します。

    SAWA

    この記事は、次のような人におすすめです。
    病院の床の黒ずみが気になる病院管理者
    ・病棟を安全安心に運営しながら改善したい人

    これまで多くの病院現場で得た知見をもとに、病院運営の負担を最小限に抑える方法をまとめました。
    病棟環境をより良くしたいとお考えの病院管理者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

    目次

    病棟廊下の長尺シートの黒ずみ対策!原因と改善のためのポイント

    札幌市内の総合病院の事務長様より、「病棟廊下の床の長尺シートが黒ずんでいて、清潔感がなく困っている」とご相談をいただきました。

    日常的に掃除はしているものの、どうしても黒ずみが取れず、見た目にも衛生面にも影響があるとのこと。

    今回は、このような病棟の床の長尺シートの黒ずみについて、原因と改善のポイントをまとめてみました。

    病棟の廊下などで広く使用されている「長尺シート」とは?

    「長尺シート」とは、ビニール系のやわらかい素材でできたロール状の床材です。
    継ぎ目が少なく、防滑性や耐水性に優れているため、病院や高齢者施設などで広く使われています。

    歩行やストレッチャーの移動にも適しており、安全性・メンテナンス性の高い床材です。

    病院の床の「長尺シート」の黒ずみの原因は?

    耐久性の高い長尺シートでも、使い続けるうちに黒ずみはどうしても出てきます。特に以下のような原因が重なると、黒ずみが目立ってきます。

    • 靴底のゴムやストレッチャーのタイヤ跡の摩擦による黒ずみ
    • 清掃時の洗剤残りや水分の拭き残しによる汚れの定着
    • 日常清掃で除去しきれない細かいホコリや皮脂汚れの蓄積
    • ワックスの劣化や塗り重ねによる変色

    人の出入りが多い病棟廊下では、こうした汚れが蓄積しやすい環境になっています。

    黒ずみを防ぐ日常のメンテナンス方法

    汚れの蓄積による黒ずみをを防ぐためには、以下のような日常清掃をおすすめします。

    • 毎日のホコリ取り:乾拭きモップや掃除機でこまめに除去
    • 週1~2回の水拭き:中性洗剤を使って丁寧に清掃
    • 半年~年1回のワックス管理:保護層を保ち、汚れが付きにくくなります

    強いアルカリ性の洗剤は床材を傷めることがあるので、中性または専用の床用洗剤の使用が安心です。

    黒ずみが目立ってしまったときの対処法

    すでに黒ずみが広がってしまった場合は、専門的な清掃が必要になります。

    • 剥離洗浄(はくりせんじょう)
      古いワックスを一度完全に除去し、床をリセットする方法。プロの業者に依頼するのが安心です。
    • 再ワックス処理
      洗浄後、保護のために新たにワックスを塗布します。床面が見違えるようにきれいになります。
    • 劣化がひどい場合
      物理的に床材が傷んでいる場合には、部分張り替えなどの対応も検討が必要です。 

    病棟を運営しながらスムーズに作業を行うための6つのポイント

    実際に黒ずみの改善工事を行う際には、病棟の安全・安心を守りながら進めることが何より大切です。以下の点を施工業者としっかり確認しておきましょう。

    作業時間の調整(夜間・休日作業の検討)

    • 入院患者さんやスタッフの動線を妨げないよう、夜間や休日の作業を優先しましょう。
    • 作業スケジュールは、病棟の動き(回診・検査・搬送時間)と重ならないよう綿密に打ち合わせを行います。

    作業範囲の分割と養生の徹底

    • 廊下全体を一度に行うのではなく、ゾーンごとに区切って段階的に作業します。
    • 養生(ようじょう)をしっかり行い、仮設通路やスロープで安全な動線を確保します。

    臭いや騒音への配慮

    • 剥離剤やワックスには特有のにおいがあるため、なるべく低臭タイプの薬剤を使用しましょう。
    • ポリッシャー(清掃機器)の音も、患者さんの安静時間を避けるように調整が必要です。

    換気と空気環境の管理

    • 換気が不十分な病棟では薬剤臭がこもるため、作業中の換気方法(窓の開閉や換気扇使用)を事前に確認しておきます。
    • 必要に応じて、空気清浄機の仮設設置も有効です。

    緊急搬送や避難経路の確保

    • どの作業時間帯・エリアでも、ストレッチャーや車いすが通れる避難経路を確保するよう周知・徹底しましょう。
    • 万が一の緊急搬送時には、すぐに作業を中断し、安全に誘導できる体制が必要です。

    スタッフ・患者さんへの事前周知

    • 作業の日時・場所・注意点を事前に掲示・アナウンスし、患者さんや看護スタッフが安心して対応できるようにします。
    • できれば、清掃業者にも説明資料や掲示用ポスターの作成協力を依頼すると丁寧です。

    まとめ

    今回は、病棟廊下の長尺シートの黒ずみの原因と改善策」と「病棟運営と並行して改善作業を行うポイントについて解説しました。

    病棟を運営しながら床の改善工事を行う6つのポイント
    1. 作業時間の調整(夜間・休日作業の検討)
    2. 作業範囲の分割と養生の徹底
    3. 臭いや騒音への配慮
    4. 換気と空気環境の管理
    5. 緊急搬送や避難経路の確保
    6. スタッフ・患者さんへの事前周知

    病院の床は、患者さんやご家族、スタッフの皆さんにとって毎日目に触れる大切な場所です。

    「なんとなく汚れているな」「黒ずみが目立つ」といった印象は、施設の清潔感や信頼感にも影響します。

    日常のメンテナンスに加えて、定期的な専門業者の清掃を行うことで、美しく清潔な環境を保つことができます。

    今回の記事が、現場での改善のヒントになれば幸いです。

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