
病院の資産を守る!長期修繕計画、見直ししませんか?

こんにちは。SAWA医療設計 代表の澤です。
今日は、病院経営や建物管理に関わる方へ向けて、病院の長期修繕計画についてお話しします。
病院が完成したばかりの頃は、建物も設備もピカピカ。
正直なところ、20年先、30年先のことなんて、あまり現実味がないですよね……。
それよりも、日々の診療や病院運営に追われるのが現実だと思います。
でも、建物が15年、20年と経過してくると、あちこち気になるところが出てくるものです。

例えば
・「会議室の天井に雨漏りのシミができている」
・「業者さんから“そろそろボイラーが危ないですよ”と言われた」
こんな声がちらほら上がってきたら、要注意です!
この記事では、
- なぜ長期修繕計画が必要なのか
- どんなポイントに注意して作ればよいのか
について、病院設計専門20年の経験をもとにわかりやすくまとめました。
未来のトラブルを防ぎ、大切な病院を守るために、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそも、長期修繕計画とは?病院経営に不可欠な理由
建物は時間とともに必ず劣化していきます。
放っておくと、劣化はどんどん進み、後から大きな修繕費用がかかってしまうことも。
だからこそ、事前に「いつ」「どこを」「どのくらいの費用で直すのか」計画しておくことが大切なんです。
計画がないと…
- 必要な工事に資金が間に合わない
- 修繕できずに建物の傷みが加速する
- 結果的に、もっと大きな負担になる
なんてことも起こり得ます。



建物も人間の体と同じです。
普段から点検し、
必要なタイミングでメンテナンスをしていくことで、
長く健康に保てるんです。
修繕を後回しにすると、こんなリスクが!運営への影響とは
工事のタイミングを逃すと、病院の運営そのものに影響が出ることもあります。
例えば、
- 雨漏りで高額な医療機器が故障してしまった
- 冬の寒い時期にボイラーが止まり、患者さんの治療や生活に支障が出た
などなど……。
こういったトラブルを防ぐためにも、今のうちに長期修繕計画を見直しておくことが大切なんです。
病院の長期修繕計画、どうやって立てる?基本の進め方
エクセルなどを使って、こんな表を作ります。
- 縦軸に「修繕項目」「小項目」「概算金額」
- 横軸に「経過年数(30年間分)」
チェックするポイントはこの4つ!
- どんな工事項目があるか?
- どんな工事をするのか?
- 更新の周期は何年ごとか?
- いつ、いくらの費用がかかるのか?
工事は2種類!大規模修繕工事と高額設備更新を押さえる
工事は、大きく2種類です。大規模修繕工事と高額設備更新を押さえましょう。
① 大規模修繕工事(足場を組んで行う工事)
屋上防水、外壁塗装、シーリングの打ち替え、鉄部塗装などです。
② 高額設備の更新(足場不要の工事)
空調、給排水、電気、エレベーター設備など。
高額医療機器も忘れずに!MRI・CT更新計画も資金計画に組み込む
修繕計画の下に、MRIやCTなど高額な医療機器の更新予定もリストアップしておきます。
「建物」と「医療機器」、両方合わせた資金計画を立てておくと、無理のない病院運営ができるようになりますよ。
長期修繕計画は「つくって終わり」じゃない!柔軟に運用するコツ
例えば、屋上防水の工事を予定していても、いざ点検したらまだ大丈夫そう……なんてこともあります。
そんなときは数年後に繰り越して、資金繰りを調整しましょう。
ただし、繰り越した項目は必ず記録しておくこと!
情報管理も成功のカギ!院内で「修繕履歴」をきちんと残す仕組みづくり
マンションのように管理会社がいない病院では、自分たちで管理をしていく必要があります。
よくあるのが、
「担当者が退職してしまい、修繕履歴がわからなくなった」
「どこに資料を保管していたのか不明」
というケース。
こうならないように、
- 修繕に関する情報は共用ファイルボックスへ集約
- 院内ルールを作っておく



これだけで、5年後、10年後も安心して建物管理が続けられます!
最後に|病院の未来を守るため、まずは10年間の修繕計画からスタート
長期修繕計画は、病院という「資産」を守り、医療サービスを継続していくための必須アイテムです。
今まで全く長期修繕計画を立ててこなかった場合は、いきなり完璧なものを作成することは難しいことと思います。
ひとまず「10年間の修繕計画」を立ててみると良いです。
出入りの業者さんも、30年というと重荷になりますが、10年と伝えれば協力してくれるでしょう。
今ある計画を見直して、未来への備えを一緒にしていきましょう!
病院建築でのお困りごとは、SAWAにお気軽にご相談ください。
お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください

