
病棟スタッフステーションの「手狭」を解決!シンプルな2つの改善策

こんにちは。SAWA医療設計、代表の澤です。
札幌市内の病院から、「病棟のスタッフステーションが手狭になった。どうにかならないか?」というご相談を受けました。実は、以前にも他の病院から同様のご相談があり、同じ課題を抱える病院は少なくありません。
そこで今回は、以前その問題を病棟スタッフと一緒に解決した際の、シンプルな2つの改善策の事例をご紹介します。

この記事は、次のような人におすすめです。
・スタッフステーションが手狭になり困っている人
・スタッフステーションを使いやすくしたい人
・できるだけ時間とコストをかけずに解決したい人
病院専門20年の設計士が、実際の病棟での事例を紹介しています。少しの時間さえあれば、誰でもすぐに改善できます。ご興味のある人は、ぜひお読みください。
目次
現場の状況:なぜ病棟のスタッフステーションが手狭になったのか?
当初は問題なかったスタッフステーションも、年月が経つにつれ、以下のような課題が浮かび上がってきました。
- 物も人も増加:病院竣工から20年が経ち、書類や機器が増え、スタッフも増員。
- スペース不足:引き継ぎやカンファレンスの場がなく、落ち着いて話ができない。
- 動線の悪化:スタッフ同士がスムーズに動けない。
師長さんたちも問題を認識していましたが、日々の業務が忙しく、改善するキッカケをつかめなかったようです。
そこでポイントを以下の2つに絞り、改善を進めました。
改善策①:「アクティブなものは何か?」を見極める
まず、スタッフステーション内の物を3つのカテゴリに分類しました。
- アクティブなもの(日常業務で頻繁に使う) → スタッフステーションに保管
- インアクティブなもの(年1回程度しか使わない・不要なもの) → 倉庫へ移動・廃棄
- 判断に迷うもの → 1週間後に再評価し、迷う書類はPDF化
実際に作業を進めてみると、
- 以前使用していた機器類のパーツ
- 内容が古く価値のなくなった書類
- 年に1度のイベント時のみ使用する備品
などが大量に発見されました。
それらはカウンターや机の下、吊戸棚の中に収納されており、貴重なスペースを占領していたのです。


▼ 改善後の活用方法
整理で生まれたスペースを活かし、電子カルテ化に伴い不要になったPC本体やプリンターをキャスター台へ移動しました。これにより、カウンターや机の上がだいぶスッキリしました。
改善策②:スタッフ通路を確保する
スタッフステーションには、通常2ヶ所以上の出入口があります。そこで、スタッフがスムーズに動けるよう、机やテーブルのレイアウトを見直しました。
- 出入口への動線を確保 → 直線的で、スタッフ同士がすれ違える広さを確保
- 出入口付近に物を置かない → 回診車・医療カートの待機場所を決める


▼ 改善後の効果
- スタッフがスムーズに移動でき、業務の効率が向上
- 引き継ぎやカンファレンスも落ち着いて実施可能になった
まとめ:病棟の環境改善は、小さな変化が大きな成果を生む
今回は、「手狭になったスタッフステーション」を解決するシンプルな2つの解決策について紹介しました。
他の一般的なオフィスや商業施設とは違い、病院は365日年末年始なども休みなく稼働しています。そのため、病棟では、特にまとまった時間を取るのは難しいものです。
「スタッフステーションが狭い」- 2 つのシンプルな解決策
- 改善策1:「アクティブなものは何か?」を見極める
①アクティブなもの → スタッフステーションに保管
②インアクティブなもの → 倉庫へ移動・廃棄
③判断に迷うもの → 1週間後に再評価し、迷う書類はPDF化 - 改善策2:スタッフ通路を確保する
①出入口への動線を確保 → 直線的で、スタッフ同士がすれ違える広さを確保
②出入口付近に物を置かない → 回診車・医療カートの待機場所を決める
しかし、「アクティブな物の整理」と「スタッフの動線の確保」というシンプルな2つのポイントを意識するだけで、スタッフの動きが活性化し、業務環境が改善されました。
もし、スタッフステーションの狭さにお悩みの病院があれば、ぜひこの方法を参考にしてみてください。
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