「病院の建替えを別の敷地で行う」場合のメリット・デメリットと注意点

    病院を別の敷地で建替える場合のイメージ写真

    こんにちは、代表の澤です。

    「病院の建替えに向けて、土地の取得を考えている」
    「病院の建替えを別の場所で行う場合の注意点は?」

    病院の建替えをこれまでとは別の場所で検討するのは、さまざまな不確定要素もあるものと思います。

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    この記事は、次のような人におすすめです。
    病院の建替えを検討している人
    ・「同敷地での建替え」か「別敷地での建替え」か迷っている人
    ・別敷地の建替えのメリット・デメリットや注意点が知りたい人

    この記事を読めば、病院の建替えを別の敷地で行う」場合のメリット・デメリットと注意点がわかります。

    病院設計20年の設計士が、実際のご相談内容をもとに、別敷地での病院の建替えのポイントをまとめました。
    病院の建替えを検討している人は、ぜひお読みください。

    目次

    「病院の建替えを別の敷地で行う」場合のメリット・デメリット

    病院の建替えを別の敷地で行う場合のメリットは、以下のとおりです。

    (病院の建替えを別の敷地で行うメリット)

    • 病院運営への影響が少ない – 新病院完成後に移転するため、既存病院の診療を継続しやすい。
    • 設計の自由度が高い – 用地を選定することで、最適な建物配置や駐車場計画が可能。
    • 資産の有効活用ができる – 旧施設を売却または転用し、資金に充てることが可能。

    一方、病院の建替えを別の敷地で行う場合のデメリットは、以下のとおりです。

    (病院の建替えを別の敷地で行うデメリット)

    • 患者の流出リスクがある – 新しい場所に移転すると、一部の患者が離れる可能性がある。
    • 土地取得コストが発生する – 新たに土地を購入する場合、初期投資が大きくなる。
    • 移転コスト・調整が必要 – 医療機器の移設や行政手続きが発生し、移転準備に時間と費用がかかる。

    「病院の建替えを別の敷地で行う」場合の注意点

    病院の建替えを別の敷地で行う場合は、以下の点に注意してください。

    ハザードマップを活用し、災害リスクを事前に確認する

    土地を取得する際には、診療圏分析や公共交通機関、近隣施設の調査など、さまざまなチェックが必要です。その中でも特に重要なのが、「災害危険箇所図」、いわゆるハザードマップの確認です。

    ハザードマップとは、市などの行政機関が地震、洪水、浸水、土砂災害などのリスクを予測し、地域ごとの被害想定を示した地図のことです。

    例えば、札幌市のホームページでは、「地震防災マップ」「中小河川洪水ハザードマップ」「土砂災害危険箇所」などの情報が公開されています。

    病院建築では、地下階を設け、電気室、機械室や放射線部門の一部を配置することがよくあります。

    しかし、河川の氾濫や浸水によってこれらの施設が被害を受けると、病院の運営自体が危機に陥る可能性があります。そのため、ハザードマップを活用し、立地のリスクを慎重に見極めることが重要です。

    仮に候補地が災害危険区域に含まれていたとしても、適切な対策を講じることでリスクを最小限に抑えることができます。計画段階から災害対策を検討し、設計・施工業者と連携しながら安全性を確保するようにしましょう。

    土地の地盤は強固か軟弱か?事前にチェックを

    7~8階建ての鉄筋コンクリート造の病院であっても、地盤が強固が軟弱かで費用と工期に大きな影響があります

    • 【地盤が強固な場合】:杭工事が不要となり、工事コストの圧縮や工期の短縮につながります。
    • 【地盤が軟弱な場合】:杭工事が必要となり、費用と工期の両方に大きな影響を及ぼします。

    しかし、土地取得の検討段階では、詳細な地盤調査を行う時間的な余裕がないことも少なくありません。
    そのような場合は、対象地にすでに建物があるかどうかを確認しましょう。

    • 建物がある場合 → 竣工当時の地盤データを取得
    • 建物がない場合 → 近隣のビルの地質調査データを収集

    データの入手方法としては、ビルのオーナーに直接打診するほか、近隣で工事を行っている業者杭工事の専門業者に問い合わせる方法があります。早い段階で地盤の状況を把握し、建設計画に反映させることが重要です。

    まとめ

    今回は、「病院の建替えを別の敷地で行う」場合のメリット・デメリットについて解説しました。。

    上の2つの注意点は見落としがちですが、事業コストと運営に大きくかかわります。「目には見えない土地の特性」にも注目しながら検討を進めると、事業の確実性はより高まります。

    別の敷地で建替えるメリット別の敷地で建替えるデメリット
    病院運営への影響が少ない
    設計の自由度が高い
    資産の有効活用ができる
    患者の流出リスクがある
    土地取得コストが発生する
    移転コスト・調整が必要

    また、病院を別の敷地で建替える際の注意点は、以下のとおりです。

    「病院を別の敷地で建替える」場合の注意点
    • ハザードマップを活用し、災害リスクを事前に確認する
    • 土地の地盤は強固か軟弱か?事前にチェックする

    病院の建替えを別の敷地で検討する場合には、災害リスクや地盤などを確認した上で、計画を進めてください。

    病院の既存大改修と、同敷地で病院を建替える場合のメリット・デメリットと注意点は、以下の記事で解説しています。ご興味のある方は、ぜひお読みください。

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